クリニックだより

婦人科 / 外陰部のかゆみ

外陰部・デリケートゾーンの
かゆみでお悩みの方へ

かゆみの原因は性感染症だけではありません。正しく診断し、適切に治療しましょう

こんなお悩みはありませんか?
外陰部がかゆい・むずむずする
生理中・生理後にかゆくなる
ナプキンや下着が当たる部分がかぶれる
更年期・授乳中から乾燥・かゆみが出てきた
白いおりものとかゆみが繰り返す
外陰部が赤い・腫れている・ただれている
皮膚が白くなっている・硬くなっている
市販薬を使っても改善しない・繰り返す
外陰部のかゆみは性感染症とは限りません。カンジダ(真菌)・接触性皮膚炎・外陰萎縮・硬化性苔癬など、さまざまな原因があります。原因によって治療が全く異なるため、自己診断・市販薬での対処には限界があります。

女性医師による診察をご希望の方は、代務医師のご案内でご確認ください。

かゆみについて知ってほしいこと
「かゆみ=カンジダ」とは限らない

同じかゆみでも、接触性皮膚炎・萎縮性外陰炎・硬化性苔癬など原因は多岐にわたります。

市販薬で悪化することがある

カンジダ以外の原因に抗真菌薬を使っても効かず、使い続けることで皮膚がさらに荒れることがあります。

ホルモンの変化で起こることがある

更年期・授乳中のエストロゲン低下により、外陰部の乾燥・萎縮・かゆみが起こります。これは治療で改善できます。

まれに見逃せない病気が隠れていることがある

硬化性苔癬・外陰上皮内腫瘍などは、かゆみや皮膚変化として現れることがあります。長引く症状は受診が大切です。

症状から考えられる原因
こんな症状・状況 主に考えられる原因
白いポロポロしたおりものと強いかゆみ 膣カンジダ症
ナプキン・下着が当たる部分が赤くかぶれる 接触性皮膚炎(アレルギー性・刺激性)
更年期・授乳中に乾燥・ヒリヒリ・かゆみ 萎縮性外陰膣炎(GSM)
皮膚が白くなっている・薄くなっている・性交痛がある 硬化性苔癬(外陰硬化性苔癬)
全体的なかゆみ・湿疹・体の他の部位にも皮膚症状 アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎
においも気になる・おりものの色が変わった 細菌性膣炎、トリコモナス(→ 感染症ページへ
水ぶくれ・ただれ・強い痛みを伴う 性器ヘルペス(→ 感染症ページへ
⚠ 症状だけで原因を特定することはできません。見た目や感じ方が似ていても原因が異なることが多く、自己判断での治療はお勧めしません。

主な原因と疾患

最も多い

膣カンジダ症
どんな病気 カンジダという真菌(カビの一種)が膣・外陰部で異常増殖することで起こります。性感染症ではなく、疲労・抗菌薬・糖尿病・妊娠・ホルモン変化などで発症しやすくなります。
主な症状 強いかゆみ、白いポロポロ・チーズ状のおりもの、外陰部の発赤・腫れ。においは強くないことが多い。
繰り返す理由 カンジダは常在菌のため、体の抵抗力が落ちると何度でも発症します。月経前・ストレス時・抗菌薬服用後などに起こりやすい。
検査 膣分泌物の顕微鏡検査(菌糸・胞子を確認)
治療 抗真菌薬(膣錠・外用クリーム)。繰り返す場合は再発予防の維持療法も検討します。
市販の膣カンジダ薬は「以前に診断されたことがある再発」が使用条件です。初めてのかゆみや、市販薬で改善しない場合は受診をお勧めします。

見落とされやすい

接触性皮膚炎(かぶれ)
どんな病気 外陰部の皮膚に刺激物・アレルゲンが触れることで起こる炎症。外陰部は皮膚が薄く、刺激に敏感です。
主な原因 生理用ナプキン・おりものシート / 石けん・ボディソープ・膣洗浄剤 / 下着の素材・洗剤・柔軟剤 / 過剰な洗いすぎ(刺激性)
主な症状 かゆみ・灼熱感・赤み・腫れ。特定のナプキンを使ったときだけかゆいなど、原因物質との関連が手がかりになります。
検査 視診・問診が中心。アレルギー性の場合はパッチテスト(皮膚科)
治療・対策 原因物質の除去、低刺激なケアへの変更、外用ステロイド薬(短期)。繰り返す場合は原因の特定が重要です。

更年期・授乳中に多い

萎縮性外陰膣炎(GSM)

閉経移行期から閉経後、および授乳中のエストロゲン低下により、外陰部・膣の粘膜が萎縮・乾燥し、かゆみや不快感が生じます。「更年期だから仕方ない」と諦めている方も多いですが、治療で改善できます。

主な症状 外陰部の乾燥・かゆみ・ヒリヒリ感、性交時の痛み(萎縮による)、頻尿・排尿時痛
検査 視診・問診。ホルモン検査を行うこともあります。
治療 局所エストロゲン製剤(膣錠・クリーム)、保湿剤・潤滑剤の使用、全身ホルモン補充療法(HRT)。授乳中は使用できる製剤が限られるためご相談ください。

見逃さないで

外陰硬化性苔癬
あまり知られていませんが、外陰部の慢性皮膚疾患として比較的多くみられる病気です。長期間放置すると外陰部の変形や、まれに外陰癌のリスクにつながることがあります。
どんな病気 外陰部の皮膚が白く変色・薄く萎縮し、かゆみや性交痛が起こる慢性の炎症性疾患。原因は免疫・遺伝・ホルモンなどが関与すると考えられています。
主な症状 外陰部の持続するかゆみ、皮膚が白く・薄く・光沢がある変化、性交痛、皮膚のただれ・亀裂
検査 視診・問診が基本。確定診断が必要な場合は生検(組織検査)を行うことがあります。
治療 強力な外用ステロイド薬が第一選択。定期的な経過観察が重要です。自然治癒はまれで、長期管理が必要なことが多い。

全身疾患の一部

アトピー性皮膚炎・その他の皮膚疾患

アトピー性皮膚炎・乾癬・脂漏性皮膚炎なども外陰部に症状が出ることがあります。体の他の部分に同様の皮膚症状がある方や、外陰部の皮膚変化が他の疾患と違う経過をたどる場合は、皮膚科との連携が必要なこともあります。まずは婦人科にご相談ください。

外陰部ケアのポイント
✓ 洗いすぎに注意

外陰部は温水で優しく洗う程度で十分です。石けんやシャワーを膣内に使用すると常在菌バランスが乱れます。

✓ 通気性のよい下着を

蒸れはカンジダ・皮膚炎の原因になります。綿素材・ゆったりした下着が刺激を減らします。

✓ ナプキン・おりものシートをこまめに交換

長時間の使用は蒸れと刺激の原因になります。かぶれが起きやすい方は素材を変えてみることも有効です。

⚠ かいてしまうと悪化します

搔破(かきむしり)は皮膚バリアを破壊し、感染・炎症を悪化させます。かゆみがひどい場合はできるだけ早く受診してください。

こんな方は早めの受診を
  • 市販薬を使っても改善しない・またはすぐ再発する
  • 外陰部の皮膚が白く変色している・硬くなっている
  • かゆみ以外に水ぶくれ・ただれ・出血がある
  • 更年期・授乳中から続くかゆみ・乾燥・性交痛がある
  • 妊娠中または妊娠希望でかゆみがある
  • 初めての症状で何が起きているかわからない

よくあるご質問
カンジダが繰り返します。毎回受診しないといけませんか?
以前に確定診断を受けたことがあれば、典型的な再発には市販薬も選択肢の一つです。ただし年に何度も繰り返す場合は、糖尿病などの背景疾患や、別の原因の可能性も含めて一度受診することをお勧めします。
生理中でも受診できますか?
受診いただけます。視診・問診を中心に診察可能です。ただし検査の精度が下がることがあるため、症状の状態や検査の種類によっては、生理が終わってから再検査をお願いする場合があります。
更年期からのかゆみ・乾燥は治りますか?
多くの場合、局所エストロゲン製剤や保湿ケアで症状を改善できます。「年齢だから仕方ない」と諦めずにご相談ください。更年期外来・ホルモン補充療法(HRT)についても対応しています。
性感染症かどうかも調べてもらえますか?
もちろんです。症状や状況に応じて、クラミジア・淋菌・トリコモナス・梅毒などの検査も同時に行うことができます。

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