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更年期障害のご相談



婦人科 / 更年期のお悩み

「なんとなくつらい」には
ちゃんと原因があります。

ほてり・のぼせ・不眠・イライラ・疲れやすい…
更年期の症状は、適切な治療で改善できます。

こんな経験はありませんか?

「年だから仕方ない」と思っていた
受診するほどではないかと我慢していた
HRTは怖いと聞いたことがある
何科に行けばいいかわからなかった

更年期障害は治療対象の疾患です。症状があれば婦人科に相談してください。日常生活のつらさは改善できます。

① 更年期とは

「更年期」とは閉経をはさむ前後5年間、おおむね45〜55歳ごろの時期を指します(個人差があります)。「閉経」とは月経が1年以上止まった状態を指し、日本人の平均閉経年齢は約50歳です。
この時期、卵巣の機能が低下して女性ホルモン(エストロゲン)が大きく揺らぎながら減少していきます。これが更年期のさまざまな症状の根本原因です。

約10年

更年期の期間(目安)

約50歳

日本人の平均閉経年齢

25〜30%

日常生活に支障が出る割合

② こんな症状が出ます

更年期の症状は非常に多様です。「更年期とは思わなかった」という方も多くいます。

️ 血管運動症状(最も典型的)

  • • ほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)
  • • 突然の大量発汗
  • • 動悸・息切れ

精神神経症状

  • • イライラ・情緒不安定
  • • 不眠・眠りの浅さ
  • • 気分の落ち込み・意欲低下
  • • 物忘れ・集中できない

運動器・その他の症状

  • • 肩こり・腰痛・関節痛
  • • 頭痛・めまい
  • • 疲れやすい・だるい
  • • しびれ・冷え

泌尿生殖器症状

  • • 腟の乾燥感・かゆみ
  • • 性交時痛
  • • 頻尿・尿もれ
  • • おりものの変化

⚠️ 注意:更年期症状に似た症状が、甲状腺疾患・うつ病・心疾患など他の病気によって起こることもあります。自己判断せず、まず受診して確認することが大切です。

③ 受診のタイミング

症状が軽く日常生活に支障がない場合は、必ずしもすぐに受診が必要なわけではありません。しかし、「我慢すれば治る」「年だから仕方ない」と放置するのは禁物です。

こんな場合はぜひ受診を

  • ほてりや発汗で夜眠れない、日中もつらい
  • イライラや落ち込みで家族・職場との関係に影響が出ている
  • 生理の周期が乱れてきた・出血量が変わってきた
  • 腟の乾燥感や性交時痛でQOLが低下している
  • 40歳未満で月経が止まった(早発卵巣不全の可能性)

婦人科での診察では主に問診で診断します。基本的に全員に血液検査が必要なわけではありません。ただし、早発閉経が疑われる場合や、甲状腺疾患など他の原因を除外したい場合には採血をすることがあります。

④ 治療法

日本産科婦人科学会・日本女性医学学会の標準的な治療の流れに沿ってご案内します。

1

生活習慣の改善

まず食事・運動・睡眠の見直しを行います。適度な運動やストレスマネジメントが症状の緩和に役立ちます。

2

漢方療法

副作用が比較的少なく、HRTが使えない場合や症状が軽度の場合に適しています。当院ではHRTとの併用も行っています。加味逍遙散・当帰芍薬散・桂枝茯苓丸などを症状に合わせて選択します。

3

ホルモン補充療法(HRT)最も有効

更年期障害に対して最も効果的な治療法です。特にほてり・ホットフラッシュへの効果は顕著で、骨粗鬆症・心血管疾患の予防効果も期待できます。詳しくは下のセクションで説明します。

+

症状別の対症療法

不眠・うつ・頭痛など個々の症状に対して、必要に応じて精神安定剤・睡眠薬・鎮痛剤を使用することもあります。

⑤ HRT(ホルモン補充療法)について

HRTとは何ですか?

更年期に減少するエストロゲンを補充することで、症状の改善を図る治療法です。子宮がある方にはエストロゲン+黄体ホルモンの2種類を使用します(子宮内膜を保護するため)。子宮を摘出した方にはエストロゲン単独で使用します。

薬の形は2種類から選べます

飲み薬(経口剤)

毎日一定の時刻に服用します。飲み慣れた形で続けやすい方に。

貼り薬(パッチ)

週1〜2回の貼り替えで皮膚から吸収。胃腸への負担が少なく、血栓リスクも低い傾向があります。

✅ HRTの主な効果

ほてり・発汗の改善

最も効果が高く、ほとんどの方で改善

不眠・気分障害の改善

睡眠の質・気力の回復にも有効

腟・泌尿器症状の改善

乾燥感・性交痛・頻尿などへも効果があります

骨粗鬆症・骨折予防

閉経後の骨密度低下を抑制

心血管疾患の予防

閉経直後の早期開始で効果的

参考:ホルモン補充療法ガイドライン2025年度版(日本女性医学学会編・後援 日本産科婦人科学会)

⑥ よくある不安・Q&A

Q. 「HRTは乳がんになる」と聞いて怖いのですが…

現在の正確な情報

2002年のWHI研究により「HRT=危険」というイメージが広まりましたが、その後20年以上の研究の蓄積で大きく見直されています。国際的なコンセンサスでは、HRTによる乳がんリスクへの影響は小さく、肥満・運動不足・飲酒などの生活習慣によるリスク上昇と同程度かそれ以下とされています。また、HRTを中止すると3〜5年でリスクの増加は消失します。

日本人女性を対象とした研究では、HRTにより乳がんリスクが明らかに高くなることはないという報告もあります。ただし、HRT中は年1回の乳がん検診(マンモグラフィー・超音波)を続けることが大切です。
リスクと利益を個別に評価しますので、不安な点はご相談ください。

Q. 副作用が心配です。どんな副作用がありますか?

開始後1〜2ヶ月は不正出血・乳房の張り・吐き気・むくみなどが出ることがありますが、多くの場合、体が慣れると落ち着きます。血栓症のリスクはありますが、貼り薬・塗り薬では経口薬より低いとされています。気になる副作用は遠慮なくご相談ください。

Q. HRTはいつまで続けるのですか?

症状の改善に合わせて医師と相談しながら調整します。「3〜5年を目安に」とされることが多いですが、症状・リスク・希望によって個別に判断します。長期使用の場合は、年1回の検診と定期的な再評価が必要です。

Q. HRTは保険が使えますか?費用はどのくらいですか?

はい、HRTは保険適用で受けられます。使用する製剤の種類・投与方法によって費用は異なります。費用の詳細については受診時にご確認ください。

Q. まだ生理はあるのですが、更年期の相談ができますか?

はい。40代になって生理周期が乱れてきた・症状が出始めたという方も受診の対象です。閉経前でも更年期に入っている場合があり、早めに相談・対処することが大切です。

Q. 乳がんにかかったことがあります。HRTは受けられませんか?

乳がんの既往はHRTの原則禁忌にあたります。ただし、漢方療法・対症療法など他の選択肢がありますので、一人で諦めずにご相談ください。症状を和らげる方法を一緒に考えます。

更年期のつらさ、一人で抱えないでください。

「年のせい」「我慢すべきもの」ではありません。

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