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婦人科 / 子宮腺筋症

子宮腺筋症

Adenomyosis — 過多月経・生理痛の背景にある病気

子宮腺筋症は、強い生理痛や過多月経の原因となる病気です。「経血が多い」「生理痛が年々悪化している」「貧血が続く」という症状がある方は、一度ご相談ください。薬物治療で多くの症状をコントロールできます。

子宮腺筋症とは
子宮内膜に似た組織が、子宮の筋肉の中(筋層内)に入り込んでしまう病気です。月経のたびに筋層内でも出血・炎症が起き、子宮が肥大していきます。30〜50代の女性に多く、子宮内膜症と合併することも多い病気です。
子宮腺筋症は女性ホルモン(エストロゲン)で進行します。閉経後は自然に縮小・消失することが多いため、年齢や妊娠希望を踏まえた長期的な管理が重要です。

子宮内膜症との違い

よく混同されますが、組織が発生する場所が異なります。約20〜40%で両方が合併します。

特徴 子宮腺筋症 子宮内膜症
病変の場所 子宮筋層の中 子宮の外(卵巣・腸など)
強い生理痛 あり あり
過多月経 顕著 ときに
子宮の腫大 典型的 なし
不妊への影響 あり あり

主な症状

 

過多月経

出血量が非常に多くなり、貧血を起こすことも

 

強い生理痛

年々悪化することが多い。鎮痛薬が効きにくくなる

 

子宮の腫大

子宮が均一に大きくなる。下腹部の圧迫感が生じる

 

貧血

出血量が多いため鉄欠乏性貧血を合併しやすい

 

不妊・流産

子宮の形態・機能変化が着床や妊娠維持に影響することがある

症状がなく超音波検査で偶然発見されることもあります。一方、症状がある場合は生活の質(QOL)に大きく影響するため、早めの対処が重要です。

診断の流れ
検査 内容
問診 生理痛の程度・出血量・妊娠歴などを確認
内診 子宮の腫大・圧痛・硬さを確認
超音波検査 子宮の球状腫大・筋層内の不均一な像を確認
MRI検査 筋腫との鑑別が必要な場合などに追加。より詳細な評価が可能
子宮腺筋症と子宮筋腫はどちらも子宮の腫大をきたしますが、治療方針が異なります。超音波検査やMRIで鑑別します。両方が合併することもあります。

治療の選択肢

「症状の程度」「年齢」「妊娠希望」などを考慮して決定します。閉経まで付き合う病気であるため、長期的な視点での管理が重要です。

鎮痛薬(NSAIDs)

生理が始まる前から服用すると効果的な場合があります。ただし病気そのものの進行は抑えられません。

ホルモン治療

腺筋症の進行を抑え、症状を改善します。ミレーナ(IUS)・ジエノゲスト・低用量ピル・GnRHアナログ/アンタゴニストなどがあります。

手術

薬物治療で症状が改善しない場合や子宮が著しく腫大している場合に検討します。
当院では手術は行っておらず、必要な場合は専門医療機関をご紹介します。

ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)は、生理痛・過多月経の改善に特に有効です。子宮内に留置し、局所的に黄体ホルモンを放出します。

不妊との関係

子宮腺筋症は不妊・流産のリスクを高めることがありますが、適切な治療と不妊治療を組み合わせることで妊娠が可能なケースも多くあります。

アプローチ 内容
体外受精(IVF) 腺筋症があっても妊娠できる場合が多い
前処置 GnRHアナログなどで子宮を縮小させてから胚移植を行う方法も
総合評価 年齢・卵巣予備能(AMH)・腺筋症の程度を総合的に評価して方針を決定

受診の目安
こんな症状がある方はご相談ください
  • 経血量が多い・レバー状のかたまりが出る
  • 生理痛が年々強くなっている
  • 貧血症状(立ちくらみ・倦怠感・動悸)がある
  • 下腹部の張り・圧迫感がある
  • なかなか妊娠しない・流産を繰り返す

当院での診療
中原クリニック

患者さんの症状や妊娠希望に合わせたホルモン治療・不妊治療を提供しています。
手術が必要な場合は適切な専門医療機関をご紹介します。

超音波検査
痛み・出血のコントロール
ホルモン治療
不妊治療との連携
専門医療機関への紹介

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過多月経・貧血の原因として鑑別が必要。腺筋症と合併することも

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まずはご相談ください。

「生理の出血が多い」「生理痛がひどくなってきた」
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