クリニックだより

避妊

はじめに

避妊の方法については、いろいろありますが大きく分けて、

  • 薬剤による方法
  • 器具による方法
  • 手術(処置)による方法があります。

これらの方法に頼らない、“自然な”避妊法として、膣外射精や基礎体温などで排卵日(危険日)を予測する方法もありますが、失敗率も高く、“確実な”避妊法としてはお勧めしません。

避妊の方法はさらに、

  • 女性あるいは男性向けのものなのか
  • 性交渉の度に使う必要があるのか
  • 長期間にわたって避妊効果があるのか
  • 医師による処方や処置が必要なのか

などによってさまざまな選択肢があります。
しかしながら、どの避妊法についても、“完璧”な方法はなく、それぞれの避妊法の特徴を把握した上で、ご自身にあった避妊方法を選択していただく必要があります。

どの避妊法が適しているかどうかは、

  • 各種避妊法の効果(妊娠阻止率)
  • 簡便さ
  • 副作用
  • 費用
  • 将来妊娠の希望があるかどうか(希望する避妊期間)
  • 性感染症の予防が可能か
  • 性感を損なわないか

などの点を考慮して選択する必要があります。

来院の上ご相談ください。

“医師による処方や処置が必要な避妊法”として、当院では以下の方法が対応可能です(詳細は別項)。

  • 低用量ピル(商品名:アンジュ、トリキュラー、マーベロン
  • IUD(intrauterine device)(商品名:FD-1、ミレーナ

低用量ピル(oral contraceptive; OC)

そもそも、ピルとは”錠剤”という意味ですが、世間一般ではピルと言えば経口避妊薬のことを指すことが多いと思います。
ピル(経口避妊薬)には、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンが含まれていて、これらのホルモンが、

  1. 排卵を抑制する
  2. 子宮頚管粘液の粘度を高めることで精子の侵入をブロックする
  3. 子宮内膜を薄くすることで受精卵が着床しにくくする

といった作用により避妊効果をもたらします。

また、低用量ピルの“低用量”とは、従来の“中用量”ピルの副作用を減らすために、避妊効果を保ちつつも、ホルモンの量を少なく(低用量)したピルです。飲み忘れなどなく、きちんと服用すれば、避妊効果はほぼ100%とされています。

副作用として、低用量ピルを服用しはじめに、吐き気、胸が張るといった症状が比較的よくみられますが、2〜3サイクル服用すると症状が改善することがほとんどです。また、低用量ピルを服用しはじめた頃は、きちんと服用していても出血(破綻出血)が起こることがありますが、これも2〜3サイクル服用すれば出血はなくなることがほとんどです。

頻度は低いですが重篤な副作用として、血栓症が挙げられます。高年齢、肥満、ヘビースモーカーなどの場合、低用量ピル服用に際して注意が必要、あるいは低用量ピルを服用できない場合もあります。この点については、来院の上ご相談ください。

当院では避妊目的の低用量ピルとして、アンジュ、トリキュラー、マーベロンを取り扱っています。

 

IUD(Intrauterine device)

IUD(intrauterine device)とは、避妊の目的で子宮の中に装着する器具であり、受精卵が子宮内膜に着床するのを防ぐことで妊娠を防ぎます。
IUDは一度装着すれば低用量ピルの内服による避妊と異なり、長期にわたり(3〜5年)避妊が可能となります。さらに、低用量ピルと異なり、毎日服用するというわずらわしさがないというメリットもあります。当院では“FD-1”と“ミレーナ”の2種類のIUDを扱っています。

“FD-1”は、昔から使われているプラスチック製のIUDであり、抜去困難や感染症の防止のためおおよそ2〜3年ごとの交換が必要です。
“ミレーナ”は、黄体ホルモンを持続的に放出するタイプのIUDであり、FD-1と比較して高い避妊効果があること以外に、月経困難や月経過多の症状が改善されるとされています(※ミレーナのことをIUS (intra-uterine system);子宮内避妊システムと表現する場合もあります)。

IUDは、月経開始後10日以内で、妊娠している可能性のない月経直後に装着します。IUDの挿入は、出産の経験があり、長期間の避妊を希望する女性に向いているとされます。
装着したIUDを取り出せば、装着前の状態に戻りますので、基本的に妊娠は可能となります。出産の経験がない女性にも装着は可能ですが、挿入時の痛みが強いことがあります。IUDの装着に適さない場合もありますので、来院の上、ご相談ください。

 

緊急避妊

 

避妊せずに性交した場合、あるいは、避妊に失敗した場合に(性交中にコンドームが外れたり破損したりした、普段服用している避妊目的のピルを服用し忘れたなど)、妊娠を防ぐための方法があり、このことを”緊急避妊”と呼んでいます。モーニングアフターピル、性交後避妊薬などとも呼ばれます。

他の避妊方法同様、効果は100%ではありませんので、緊急避妊をおこなったとしても妊娠する可能性があります。そして、あくまで”緊急”の手段であって、普段から使う避妊法のひとつとはなりません。

当院では内服薬による緊急避妊薬を提供しています。緊急避妊は、避妊に失敗してから72時間以内に服用する必要があります。そして、できるだけ早く服用した方が避妊に対する高い効果が期待できるとされています。
当院では、従来から一般的におこなわれている緊急避妊薬とレボノルゲストレル(商品名:ノルレボ)の2種類の緊急避妊薬を提供しております。

それぞれ服用方法、妊娠阻止率、副作用などが異なります。2種類の内服薬の違い、どちらを選択するべきかどうかについては、来院の上、ご相談ください。

緊急避妊薬の費用

緊急避妊は自費診療となります。
保険適用外となります。

従来の緊急避妊法

(商品名:プラノバールなどの内服:Yuzpe法)
5,400円(診療費、税込み)

レボノルゲストレル(商品名:ノルレボ

による緊急避妊法
14,040円(診療費、税込み)